社長の想い

産業廃棄物の新しいサービス展開。お客様の第二環境事業部を目指す。

くろがね産業株式会社 
代表取締役 森 崇行 氏

弾性材で西日本トップクラスを誇る

くろがね産業の主力事業は、各種産業廃棄物の回収とその処理やリサイクルだ。中でも同社が得意としているのは、自動車部品の廃棄ゴムの分野。廃棄ゴムを回収して処分するだけでなく、独自の再生技術を駆使して、人工芝用の弾性材(ゴムチップ)やゴムブロック等の成形品原料を製造から販売まで手がける。西日本ではトップクラスのシェアを誇っている。

「製造業にとって廃棄物の処理は、手間のかかる厄介な代物です。私たちの使命は、お客様が本来の事業活動に専念できるように廃棄物にかかるコストやリスクを最小限にしていくこと。いわば、お客様の第二環境事業部になることが私たちの役割です。弊社に何でも丸ごと任せてもらえるような存在になりたいです」と、森社長。

今後は、お客様の抱える環境課題により深く関わり、CSR活動などの企業価値を高める活動も支えていきたいと言う。同社の地道な事業活動が地球環境の保全や未来をつむいでいく。

創業者の父親と経営のやり方で対立

森社長がくろがね産業に入社したのは27歳の時。大学を卒業し、東京での就職などを経た後だった。「廃棄物処理というのは、入社する前はいいイメージが無かったですね。」と、苦笑いしながら当時のことを話す森社長。やがて父親のケガがきっかけで入社することになる。

入社後は、二代目ということもあり、営業主任、専務などを経て、経営者になるための階段を登っていくことになるが、創業者である父親と会社の経営で衝突していく試練が待ち構えていた。

「自分が目指す会社と父親が考える会社の像が違い、意見が合わなくてよく喧嘩していました。経営を勉強するための講演会で気持ちのいい話ばかりを聴かされて、自分の方が経営の手腕があると勘違いしていました。創業者、いわばカリスマの父親と、息子の考え方の食い違い、社員はいい迷惑だったはずです。今考えてみると、本当に未熟で、浅はかだったと反省しています」。

誇りの持てる仕事に気づいて欲しい

やがて31歳の時に社長に就任。父親への尊敬の念と感謝の気持ちが芽生え、会社を支えていこうと決意した矢先に、父親が脳梗塞で倒れて経営の舵とりを任されることになる。「父親が倒れた時は心細かったですね。後ろ盾が急に無くなったわけですから。何を基準に経営判断をしていけばいいのか。本当に怖かったです」。

社長になって、まず取り組んだ重要なテーマは社員の意識改革だった。

「私は以前、廃棄物処理の仕事をしていることを堂々と言えなかった。モノを生産すれば必ず廃棄物が出ます。製造業が動脈産業なら、我々の仕事は静脈産業。身体に静脈がないと血が循環しないように、私たちの仕事は社会インフラ、環境保全に欠かせないもの。そう気がついてからは堂々と言えるようになりました。社員にも、そのことをよく理解してもらい、社会や世の中に役立っていると、自信を持って仕事に向き合ってほしいです」。

夢は大きく、廃棄ゴムのリサイクルで日本一

2020年に開催される東京オリンピックは、同社にとって大きなターニングポイントになる。

「廃棄ゴムのリサイクルは、全国的に見ても参入している企業が少ないニッチな分野。特に、東京オリンピック開催で人工芝用の弾性材の需要が見込まれます。関東圏での市場開拓や拠点づくり、開発部門の強化を積極的に図りながら、海外でのリサイクル事業を視野に入れた動きにも注力していきたい」と、森社長。

「人生の大半を仕事に費やすので、仕事が楽しくなければ人生も楽しくありません。当然、楽しく仕事をするためには、苦しいことや歯をくいしばってやることが必要です。富士山はしんどいからこそ、登頂した後の感動が大きいのです。社員には、ビジネスの世界でそんな感動を味わってほしい」。

夢はこの分野で日本一になること。社員と一緒に大きな夢を実現したいと言う。大きな目標に立ち向かう姿勢が、楽しい未来を引き寄せるにちがいない。

くろがね産業株式会社