社長の想い

「お客様の喜びの声」を誇りとするリフォーム&エクステリア専門店。

株式会社 ベストホーム 
代表取締役 藤本 誠二 氏

エクステリア工事から発展

ベストホームはエクステリアやガーデニング工事を専門として興り、現在ではリフォーム工事なども手がける。

創業は1995年。当時はまだ一般顧客を対象としたエクステリア専門店があまり存在しなかった。カーポートや門扉を必要とする人は、ホームセンターに行くか、新築時ならハウスメーカーなどを窓口として求めていた。そういう時代に、藤本誠二社長は証券会社からエクステリア業界に入り、起業した。

証券会社では、訪問販売を経験。家を一軒一軒まわり、商品の案内をすることが日常だった。起業したエクステリアの仕事でも同様の手法で市場の開拓にかかった。販促としてチラシを新聞に折り込むことも試みた。反応はあった。しかし、建材の価格をわたしたちは詳しく知らないことからも想像がつくように、エクステリアの価格をあまりオープンにする慣習が業界にはなかった。だから、価格の入ったチラシにいい顔をしない同業者もいた。

「ゲリラ的な感じはあったでしょうね」と当時をふり返る。お客さまの顔を見ながら営業を重ねる証券会社でのやり方が、知らず知らずのうちにお客さま最優先の気持ちを育んでいた。

そして回顧する。「当時バブルが弾けたこともあって、いくらいいと思う金融商品を売っても、株式市場の下落は自分の力ではどうすることもできなかった。お客さまに申し訳ないというもどかしさを抱えながら証券会社を辞めました」。そして「エクステリアの専門店の提案を、ホームセンターの価格で」をモットーに掲げ、事業は軌道に乗り始めた。

発展から学んだこと

創業からしばらくは、先頭を切って営業をした。「自分についてこいよという姿勢でやっていましてね。ついてこない社員がいると頭にきて、ガンガンと怒鳴っていました」。社員の査定は、売上の数字。売上至上主義と言えるムードがあった。

実績が上がりだしたころ、デザイン性を追求するようになる。「創業して5年ほどが経過したときでしょうか。エクステリアってもっとおしゃれなものじゃないの?という疑問に当たりました」。ちょうど、デザイン性の高い仕事を求められるお客さまの声にも敏感になっていた時期だった。

付加価値としてのデザインに着目し、頭一つ抜きん出た。社員を増やして、店舗も増やそうと、会社は昇り調子だった。

やがて、ナンバー2の育成に注力しはじめる。これはごく自然な組織形成の過程である。「でも、彼にばかり目が向いて、全体を見失っていたんです」。業績を伸ばそうと部下に無理を強いるナンバー2を、かばいさえした。社内がぎくしゃくしていても、自分の使命は右腕の育成だと信じて疑わなかった。「経営者としての経験のなさだったと思います」。10人まで増えていた社員が、離れだした。

チーム・ベストホームの誕生

「いつまでもこのやり方は続かない」。数字に追われる社員の疲弊ぶりを見て、藤本社長はそう直感した。決定的な出来事があった。ある現場にトラブルが発生し、社員が総力戦で納めたことだ。

それぞれ自分の仕事があるにもかかわらず、他のスタッフの現場を気遣い、何とか「ベストホーム」としての信用を守ろうとやり遂げた。「みんなでなんとかしようという姿勢に、この時ほど感謝をしたことはありません」。社員に対する感謝の気持ちは、社員の評価方法の変化につながった。

「売上だけで査定するやり方に誰もが疲れ切っているし、自分も疲弊している。もうこういうやり方はやめよう」と決意した。

「わたし自身、厳しさで会社をつくってきた先輩からの教えを守ってきたところがありました。目をはなすとサボるのが人間なんだから、と管理するやり方ですね。でも、自分にはそのやり方は向いていないのだと気づきました」。

不足を叱り満たすのが組織運営ではなく、良さの集合体が企業の強みであるという見方に変わったところに、現在のベストホームの原点を見ることができる。

評価の仕方を再考した。まず、個人プレイからチームとして動くことを基本とする体制に変え、「チーム理念」を掲げた。「私たちはお客さまに最善の喜びをご提供するために集まったチーム・ベストホームです」。そして「お客さまの喜びの声を頂くことが、私たちの仕事の誇りです」と続く。「お客さまの喜びの声」こそが、現在の同社を貫く最大の価値観である。

スタッフが体験、共有する喜び

「お客さまの喜びの声」は、工事後にお客さまに書いていただくアンケートに現れる。アンケートには、営業や職人さん、店舗スタッフなど、全員の名前と写真が入った用紙を添える。お客さまはそれを見ながら、顔しか覚えていなかった人の名前も正確に書くことができる。

「休憩の時に職人の○○さんにお茶を出したら、お礼の手紙を添えて返してくれたとか、庭木の名前を小さいわが子が読めるように平仮名で書いてくれた。子どもが一生懸命読んでいますという声をアンケートにいただきます。お客さまが喜んでいただくことがやりがいだという社風に変わってきました」と藤本社長は静かに語る。

「例えば工場で大量生産される商品なら、それが誰の手元にいくかわからない。我々は、目の前のお客さまのために、目の前のお客さまが笑顔になれるために仕事ができる。それはとても幸せなことだと思います。しかも必ず喜んでいただける。お客さまが望まれたことをカタチにしていくことだから」。証券マンだったころのもどかしさは消えていた。

お客さまの満足を一貫して見つめる藤本社長の眼差しにブレはない。この理念はいま、同社のスタッフのみならず、協力会社も含めた「チーム・ベストホーム」として、まるで大樹が根から吸い上げた水を、枝先の小さな若葉にまで行き渡らせるように、確実に浸透している。

株式会社 ベストホーム