社長の想い

塗装業界に新しい旋風を巻き起す塗人(ぬりんちゅ)集団。

有限会社 御南塗装工業 
代表取締役 中村 英行 氏

元請けに特化した塗装専門店

岡山市の北長瀬駅近くに小さな塗装専門店がある。有限会社御南塗装工業だ。一般住宅の外壁塗装をメインに、塗り替えリフォームを幅広く手がけている。

住宅の塗り替えといえば、ハウスメーカーやリフォーム業者が多く、塗装店は下請けや孫請けで仕事を委託されるのが一般的だが、同社では元請けの仕事に特化していると言う。

「塗った直後はどうしても綺麗に仕上がっているように見えますが、塗装の善し悪しは何年後かに表れるものです。現場を知らない営業マン、下請けや孫請けの職人のやり方では、品質面で甘さや問題が生じてしまいがちです。弊社が元請けにこだわるのは、現場を知り尽くした営業や職人による、品質を重視した塗装を手がけたいからです。私どものお客様は比較的年配の方が中心です。以前に一度、家の塗り替えに失敗した経験をされた方が多く、品質にこだわる想いに共感していただけている証しだと思います」と、中村社長。

闇雲に仕事に飛びつく

中村社長は、タイル職人を半年ほど経験した後に、10代でこの世界に飛び込んだ。建築現場で塗装職人を見かけた時に“楽しそう”と思ったこと、先輩など、周りで塗装の仕事に携わっていた人が多かったこともきっかけになったと言う。大手の塗装会社で4年ほど修行をした後に、独立の道を歩むことになる。

「独立当初は、とにかく何でもやりました。ひ孫請け、集金もできないような仕事もあり、給料には恵まれませんでしたね」と、苦笑いする中村社長。しかしその2年後の2002年(平成14年)には、逆境に負けず同社を設立する。

「法人にしたのは、何かをカタチにしたいという思いがありました。また、友人や知人と仕事をしていたこともあり、“どうせ友だちの寄り集まりだ”と、陰口を叩く人を見返したいという気持ちもあったからです」。

設立後しばらくは業績が伸び、社員の数も順調に増えていったと言う。と同時に、下請けでこなす仕事に違和感を持ち始めていた。

お客様の声を聞くことが原点

同社の営業スタイルは、一般的に反響型と呼ばれるもの。折り込み広告やホームページなどで問い合わせがあったお客様の応対がメイン。「塗装で失敗してしまい、業界に不信感を抱く方を一人でもなくしたい」と、プロモーションにも工夫を凝らす。

中でも注力しているのが、“塗装セミナー”。岡山市内の各地で月に2回、少人数制で開催し、社長自らが講師で、塗装のイロハから業者の選び方までをわかりやすくアドバイスしている。

「人前で話すことなんて想像もしていなかったので、最初は抵抗がありましたが、セミナーの修了後に、参加者の方から“ありがとう。勉強になりました”という感謝の言葉をいただいた時は本当に感動。“これだな”と直感しました。それまでは契約を取ることに追われ、嫌々仕事をしていたことに気がついたのです。今までの経験や知識で人に喜んでいただけることの素晴らしさを知りました」と、中村社長。お客様と直接触れ合う機会を作ることの大切さを痛感した。

職人や業界全体の環境を変えたい

「塗装リフォーム」について、正しい知識をもっと広めていきたい。その想いは自社のセミナーやサービスの内容だけでなく、働くスタッフにも向けられている。

「塗装業界は、下請け体質が根強く残り、大半の塗装店は会社が組織化されていません。腕が良い職人は独立できますが、必ずしもいい経営者になれるとは限りません。日給月給の中で雨が降れば仕事がなくなる。いまだに多くの職人は、保障もままならない環境下で働いています。職場環境の改善や業界の地位向上に少しでも尽力したいです」と語る。同社ではイベントの開催やボランティア活動などを通して地域貢献も積極的に行なっている。

「一流の塗人(ぬりんちゅ)集団としての組織を強化しつつ、業界にとって新しい取り組みへのチャレンジ。また、塗装をメインに住宅全般のサポート体制の確立を視野に入れるなど、お客様の住まいを身近で見守るファミリードクターのような存在になりたいです」と、夢が膨らむ。

有限会社 御南塗装工業