社長の想い

全ては、お客さまの笑顔のために。

株式会社 ウエコーポレーション(焼肉牛長) 
代表取締役 上原 隆史 氏

抱いた違和感は後に哲学へ

牛長(株式会社ウエコーポレーション)のオーナー、上原隆史氏のキャリアは、高校1年の終わりに始まる。その時、アルバイトとして前オーナーが経営するこの店に入った。

「最初は、焼肉屋がやりたいという希望があったわけじゃなくて、近所の人の紹介でたまたま入った」と言うものの、何となく小遣いを稼ぐ高校生ではなかった。初めて社会を見た「違和感」をいまも記憶にしっかりと刻んでいる。

その違和感は、「こうしたらもっとお客さまのためになるだろう」と思う気持ち。「お客さまに対する言葉遣いや接客の態度、提供する料理の微細なこだわりなど、本当にお客さまの立場になって考えれば、改善できることがたくさんあるという思いが正直ありました」。業界の慣習だったことも、まだ高校生のまっさらな目で見ると違和感を覚えることがあったと言う。しかし、すべての発想の原点は「お客さまのため」であったことに違いはない。初めて社会に入って直面した現実。そのとき抱いた違和感が、その後の仕事人生を貫く哲学へと成長する。

喜んでほしい!その原点

お客さま最優先。当たり前のことのように聞こえるが、つい企業の利益優先でそれを曲げてしまいたいと思う人間の弱さとのせめぎ合いもあるはずだ。そんなことに目もくれず、ただお客さまをきちんと見つめることのできる原点を、さらに以前、小学校時代の上原少年に見ることができる。

「ある日、親父のクルマを洗っていましてね」という話題を切り出してこられた。将来はガソリンスタンドやクルマ屋をしようかと言うほどクルマが好きだった上原少年は、丁寧に洗車をしていた。それは、「親父のワックスじゃ物足りないから、小遣いで違うワックスを買いに行っていた」というこだわりよう。それを見た隣のおばちゃんから「私のクルマも洗ってよ!」と言われ、ピカピカに洗い上げるとすごく喜んでくれて、3,000円のお小遣いをくれたというエピソードだ。さらに、それから頻繁にお願いされたという後日談まで。「そのとき、すごく喜んでくれた経験がベースになり、人に喜んでもらえることで、自分もこんなにうれしい気持ちになるということが心に刻まれました」。

お客さま第一の精神で生むこだわり

いまでも、その気持ちは変わらない。「お客さまが当店のメニューを召し上がって、オオッ!って感動される瞬間が好き。だから、いつも現場にいて、どんな反応するかな?というのを見届けるのが楽しみなんです」と笑う。

食材やメニューのこだわりも、お客さまの笑顔を求めてのこと。店内には、「ここにしかない物がある!!」と書かれた案内を貼ってあった。スタッフの考案から、みんなで試食を繰り返して商品化した「豚バラわさび風味」、焼肉店ではなかなか見ることのできない「和牛のいちぼ」、オーナー自らが畑で育てた玉ねぎを使用する「自家農園・無農薬『玉ねぎスライスサラダ』」など、渾身のオリジナルメニューが並ぶ。

ここに至るまでは様々な試行錯誤もあり、利益率との葛藤もあったと言う。しかし、上原社長27歳の5月3日、前オーナーから店を譲り受けたときから、「自分の店なんだから、自分でいいと思うことをやってみよう」と考え、常にお客さま第一の精神を貫いて、いまがある。

「焼肉という業態は、なかなか浮気をされないという特性があって、親子三代にわたって長く来ていただくことができる。先代のときにはなかった特徴を出すことで、いま来ていただいているお客さまにさらなる満足をご提供できれば、それが広がります。だから、競合が多く、老舗も多いエリアだけど市場を取れるかなと思った」と謙虚に分析する。

そして、「他店がやっていないことでいいことがあれば、うちは取り入れて実行したし、お客さまの立場で何か違うと思ったことはすぐに改める」ことを繰り返した。地味だが、着実な進歩を上原社長は求めた。

お店づくりは人づくり

スタッフに対しても、この想いを語り続ける。「想いを伝えるために繰り返し言うしか方法はない」と信じ、経営者とスタッフの意識の差を埋めて、全員でお客さまを笑顔にしようと努める。「アルバイトの学生に対しても、入って来たらまず『ここは、お客さまを笑顔にするところ』だと教えています。「来る人には楽しみを、帰る人には喜びを」の精神である。

「仕事は楽なことばかりではないですよ。楽ではないけど、そこに想いがあるからできる。寒いのに釣りに行ったり、炎天下でも早朝からゴルフに出かけていったりするのと同じで、そこに気持ちがなければやってられませんよ」と言って明るく笑う。「自分が好きなことしてお金をいただけて、お客さまも喜んでくれる。こんな幸せなことはありません」。

そして、仕事は「楽をする」ではなく、自分が想いを持って考え、「楽しくする」という意識をスタッフにも伝えるのが教育だと位置づける。「それはどれだけ自分がそのことに想いを持ち続けているかということが逆に試されてもいるんだろう」と自省する。さらに、スタッフの成長が店の発展だと言い切り、それは今後の店舗展開にもつながる。

「売上拡大のための店舗展開や会社の規模拡大にはこだわっていません。でも、自分と同じ想いを持ってついてきてくれる人のさらなる成長や夢、幸せを実現するための出店や支援はしていきたい。大きさや数より、中身で勝負です!」と意欲的。しかし、それほど多店舗にならなくてもいいので、「地道にやっていきたい」と、地に足のついた着実な考え。それは、自らが店に立ち続けて、「お客さまが笑顔になってくれているのを見て、その幸せが自分の幸せになる」という信念を貫き通す意志の表れだとすぐに察した。

株式会社 ウエコーポレーション(焼肉牛長)