社長の想い

販売台数はエリアトップクラス。ボルボ・トラック正規ディーラー。

株式会社 キャリオン 
代表取締役 應本 方温 氏

「組織は人でできています」

ボルボ・トラック正規ディーラーで、中四国においてトラックの販売台数がトップクラスの「キャリオン」。英語でcarry onは、継続する、続けるという意味である。

同社の代表取締役、應本方温(おおもとみちはる)氏は言う。「お客さまは物をお届けしようと走り続けていますが、わたしたちは事業を続けてトラックを提供し続けようという気持ちを込めています」。

しかし、事業を継続することは、容易なことではない。昭和43年に始まった歴史は、まもなく半世紀を迎える。應本社長は、事業継続にあたって3つのポイントを挙げた。「組織力、人間力、商品力」である。これらは、最初から備わっていたものではなく、少しずつ努力して積み上げてきたものである。

「この3つの力を磨いて、お客さまに買っていただくという謙虚な気持ちがあってこそ、事業は継続できると思っています。最も大切なのは、人。組織は人でできているのです。社員一人ひとりが頑張ってはじめて事業は継続できるのです」。どこまでも、組織は人だと強調する。

本社社屋を建てた意味

その気持ちは、本社社屋に現れている。「この社屋は、本来、トラックの販売には不必要なものです。広い野原に中古トラックを並べていても売れないことはない。それを、あえて社屋を建てたというのは、訳があってのことです」。

当時、中古トラックというのは、非常にネガティブなイメージがあったそうだ。陰と陽で言うと、新車は陽、中古車は陰。乗用車は陽、トラックは陰と思われていた時代があった。「そのイメージは、そこで働く人にも伝わるのです。明るい業界には明るい人が集まるように、わたしは真っ先に業界のイメージを変えたいと願いました」。本社社屋は、その象徴である。

事実、モダンで開放的な社屋ができてから「社員は、気持ちが変わり、志を高く持つようになったと思います。社員の変化はお客さまにも伝わり、業界全体の変化に少なからず貢献できたように思います。少しイメージが良くなりましたかね」。そう言って朗らかに笑う。

先代の言葉を胸に

その2年後の平成12年、日本ボルボとディーラー契約を結ぶ。これまで国産のメーカーだけに商品力を頼っていたものが、大きく開けた。ボルボのトラックは、世界的にメジャーであり、いまやそのブランドに憧れて入社しているスタッフも少なくない。

世界のブランドから販売を託されるだけの理由もある。企業の与信はもちろんのこと、とにかく「目くばり、気くばり、心くばり」を徹底する企業風土は、トラック販売という事業の枠を超えて、サービス業の鏡である。

應本社長には、その言葉への思い入れもある。「先代の社長であり、父から、家で『お前は目くばりせんやっちゃ(目くばりのできない奴だ)』とよく叱られていましてね。亡き父を思ったとき、その教えをとことん守ろうと思ったのです」。社員もこれが徹底できれば、お客さまとの信頼関係もきちんと構築できると言い切る。

世代交代をめざして

社員に期待する眼差しの先には、世代交代がある。「一つの事業の賞味期限は25年だと思っています。いまの事業を磨き上げながらも、企業存続のためには、当社にも次の新しい芽が必要です」。若い社員から、そのアイデアが挙がってくることを期待している。社内で立ち上げた「プロジェクト2018」は、創業から半世紀を迎える2018年に向けて、世代交代を大胆に進めようという意志が詰まっている。

「社員がやりたいことをできる社風にしたいと思っています。そのなかから、次の時代を支えるビッグアイデアが生まれるのが最高です。就職は博打だという見方もありますが、もし博打なら、博打で終わらないようにするのが経営者の役割です。社員それぞれの良さを生かすなかで、次の事業の芽を見出し育てられる環境を整えていくことが、世代交代に向けての大きな取り組みです」。

「わたしは、社員の声やお客さまの声を聞く耳をいつまでも持っておきたい。聞かなくなると言ってもくれない。そうなると終わりです。そのためには、謙虚さが何より大切」と穏やかな表情を浮かべる。「目くばり、気くばり、心くばり」の本質は謙虚さであると聞いて、世界のブランド、ボルボ・トラックを北海道エリアに次いで日本で2番目に多く販売している同社の実力にも納得。業界のイメージを変え、いい人材にも恵まれたいま、應本社長の意識はその人をさらに輝かせることに向いている。