社長の想い

この世に捨てるものはない――廃棄物の100%リサイクルを目指して

株式会社 インテックス 
代表取締役 金山 昇司 氏

資源を生み出し、豊かな未来を

「この世に廃棄物は存在しない」との理念を基に、廃棄物の収集・運搬、中間処理、建物解体工事を手掛け、資源リサイクルに努める株式会社インテックス。

年々環境への意識が高まり、業界に求められるものも増す中で、当社は多くの強みをもって成長を続ける。
岡山市南部の田園地帯に広大な処理施設を構え、回収から選別・破砕・圧縮といった中間処理までワンストップで対応。建築解体現場等から出る木やコンクリート、ガラスなどが入り混じった廃棄物を、風力・磁力・振動等によってふるい分けていき、最後は手作業で分別する。こうしたきめ細やかな処理技術により、搬入される廃棄物の70%以上をリサイクルすることができるという。

選別した資源はそれぞれの委託先に搬出するとともに、自社でもリサイクル商品を製造。
廃コンクリートから作られる「再生砕石」「再生砂」は、舗装の下地などに活用される。古瓦を砕いた「テコラ」は見た目も美しく、ガーデニング材として一般住宅や公共施設の外構工事にも採用されている。

「うちの事業領域は、『資源創出業』なんです」、と金山昇司社長は言う。すべての廃棄物の有効活用を目指し、リサイクル率を限りなく100%に近づけることが、当社の使命である。

喜ばれた体験が原点に

前身は、金山社長の父がひとりで営んでいた古鉄回収業。
高校を出てその仕事を手伝っていた金山社長は、あるときひとりのお客さまから、鉄くずと一緒に家財道具の処分を頼まれた。ささいなサービスのつもりで応じると、お客さまには「本当に助かった」と心から感謝され、金山社長もとても幸せな気持ちになったという。
「困っている人を助けるすばらしい仕事が、こんなに身近にあったとは」…この体験が社長の心に灯をともし、みずからの仕事に対する使命感を呼び起こした。

その後、いろいろな事業の経験を経て、31歳でインテックスを設立。メンバー4人がそれぞれ自分で営業から回収作業、事務処理までこなした創業期から約20年、今ではグループ計約60人を抱える会社へと育った。

さらなる飛躍に向け、現在は、新しい廃棄物選別ラインの導入を準備中。億単位の莫大な予算が掛かるというが、これによってリサイクル率90%を目指せるという。あえてこの投資に挑むのも、最終目標として「100%達成」を掲げるからこそ。
「人って、自分で乗り越えられるレベルの壁しか、壁として認識できないんですよ。今自分がどんな課題を壁として見ているかが、成長のバロメーターだと思います」と、社長は力を込める。

仕事への信念を社訓に込めて

近年は低価格を売りに参入する同業者も増えてくる中、なお多くのお客さまから選ばれ続ける会社となっているのは、「優秀なスタッフたちのおかげです」と社長。
「この業界、待遇さえ充分にすれば業績は上がるという声も聞きますけど、でもそれでは社風がよくならないと思うんですよね」と語り、社員の教育にはとても力を入れている。

社員との個別面談は社長の日課。多忙の中、できる限り時間を取り、日に2~3人と話をする。また新卒採用者には、入社前に社長みずから自宅や実家に足を運び、親御さんにあいさつをさせてもらうのだという。

社員のすべての行動の指針となるのは、5カ条からなる社訓。ここには、長く自力で事業を開拓してきた金山社長の、働くことに対する信念が詰まっている。
1、「自分の人生に大いなる夢と希望を抱き、勇気をもって常に挑戦します」
2、「小さな仕事を大きな志で重ねて今日の私たちがあります。紙くず1枚、木くず1片、釘1本を大切にします」
3、「立ちはだかる壁は成長の糧。決して逃げることなく乗り越えます」
4、「思うことは正々堂々と言います。どんな正論も陰で言えばすべてが愚痴と言い訳になります」
5、「お客さまにはもちろんのこと、働く仲間・親・祖先・家族・地域社会に対して、謙虚さと感謝の気持ちを忘れません」
仕事上の心がけを超えた想いは、社訓というよりも人生訓に近い。そしてこれを誰よりも厳しく実践するのが、社長自身である。

ゼロ・エミッション社会の実現

金山社長には、ひとつの大きな夢がある。
それは、子どもたちのための見学施設を備えた「エコヴィレッジ」の建設。
「モノを作って売る『動脈産業』に比べ、その逆を担う私たちのような『静脈産業』は、なかなか人に理解してもらう機会がないですよね。社会科見学や職業体験もできるような大きな施設を整えて、未来を担う子どもたちに私たちの仕事の価値を知ってもらえたらと思っています」。

何千坪もの広大な敷地に、中間処理施設のほか燃焼プラントと発電プラントを備え、燃焼によって出る廃熱で発電し、施設内の全電力をまかなう。農場もつくり、廃熱をいかして温室栽培した野菜を販売したり、社員の食事に使ったりする。エネルギーや資源、人、モノ、情報すべてのサスティナブルな循環の仕組みを具現化する、「ゼロ・エミッション」(排出物ゼロ)の理想郷というべき施設だ。

鉄くず1片の回収から始め、苦難を乗り越えて地域業界をけん引する存在にまで会社を発展させた金山社長。しかし夢は、まだまだとどまるところを知らない。
「いつも、これからが本番という気持ちですよ」――そう語る瞳に、いきいきとした光が満ちていた。

株式会社 インテックス