社長の想い

家ではなく暮らしを考え、いつまでも続く快適な住まいを。

株式会社 ライフラボ 
代表取締役 中山 悟 氏

目指すのは「iphoneのような」家づくり

「目指しているのは、iphoneのような家づくり」。
岡山市北区幸町の本社を拠点に木造デザイン住宅のブランドネットワークを展開する『ライフラボ』。代表取締役の中山悟さんに自社ブランド『soramado(ソラマド)』の家づくりについて問うと、そんな言葉が返ってきた。その心は――。

「例えば、同じ一つの家族でも、いつも同じ暮らし方をしているわけではないですよね。今と10年後、20年後の暮らし方はきっと違う。絶対に必要だと思っていた子ども部屋はいつか使い道がなくなるかもしれないし、こだわりのインテリアもいつか好みが変わってしまうかもしれない。今の想いだけで造り込みすぎてしまうと、もしかすると20年後は使い勝手が悪く、居心地の悪い家になってしまうかもしれません。でも、暮らしの器となる家そのものがシンプルであれば、そんな暮らしの変化にもしなやかに対応できる。壁や建具ではなく可動式の家具を生かせば、状況に応じて大空間を楽しんだり緩やかに仕切って“個室”を設けたりすることができるんです」。

シンプルであることはつまり、家族の成長とともに変化し続けられるということ。今や誰もが持っているiphoneも、使い手によって、あるいはその時の仕事やライフスタイルによってアプリを入れ替えながらまったく違った使い方がされている。家もそんな風にしなやかに住み替えられたら、何年たっても快適で住みよい暮らしが続くというわけだ。

真の住み手目線から生まれた『ソラマド』

といっても、そんな中山さんもかつてはまさか自分がソラマドのような開かれた家を手掛けることになるとは思っていなかった。もともと商社の住宅部門に勤めていた中山さんにとって、メーカーが提案する定型の家こそ“本流”。延べ床面積が同じでも部屋数が多い方が高く売れるし、施主も家族それぞれの固有の居場所を求めている。数多くの新築実績を持つ住宅メーカーの提案はある意味“絶対”で、そこに住み手をうまく誘導できる営業マンこそ、優れた売り手だと考えていた。

けれどある時、壁も建具もほとんどない、つまり、室内のプライバシーがまったくない家づくりを手掛ける建築家に出会い、衝撃を受けた。はじめは「こんな家づくりで本当に売れるのか」と訝(いぶか)しみさえした。けれど、多くはないもののその建築家への依頼は途切れることなく、その実績は1軒また1軒と増えていく。

「施主にとっては初めての家づくりですから、もちろん初めはリビングがあり、和室があり、子ども部屋がありといった定番のイメージを持っていることがほとんどです。でも家族構成や働き方、ライフスタイル、趣味などを細かくヒアリングすることで、それとはまったく違った間取りの家が提案される。当初のイメージとは大きく違っても、施主の想いに真剣に向き合い、その提案に至る裏付けがしっかりしているので、施主側も次第に共感していくんですね。それまでかかわってきたメーカー主導の家づくりが、いかに住み手を向いていなかったかを思い知らされたような気分でした」。

「家」ではなく「幸せな暮らし」を創る喜び

そんな目からうろこの体験がきっかけとなり、平成19年に『株式会社ライフラボ』を設立。家族の想いに寄り添いながらその暮らしを一緒に考え、悩み、ありったけの知恵を絞って、その家族だけの特別な家を創り出していく「ソラマドの家」を開発した。

『ソラマド』のコンセプトは誰にも共感されるものでは決してない。メーカー住宅を好む、あるいは適している建て主は今でも大勢いる。けれど「全体の1割でも共感し合えるお施主さまがいれば、それでいいんです。『ソラマド』の家づくりをしていると、常に自分たちのアイデアや提案が、住み手の暮らしを豊かに、楽しく、幸せなものにしていると実感できる。それが何よりのやりがいになっています」と中山さん。

人はまず、“自分が生きていくため”に働く。けれどそのモチベーションになるのは、なんだかんだいっても『誰かに喜ばれている』『役に立っている』という手応えだ。『ソラマド』の家は、ただ在り物の箱を組み合わせるだけでない、完全オリジナルのデザイン住宅。「施主が求める家」を創るのではなく「どう創ればより幸せに暮らせるか」を考えカタチにする営みは、施主だけでなく創り手にとっても大きな喜びをもたらしているようだ。

さらに思わぬ副産物も。家づくりのコンセプトに共感した施主たちがオープンハウスやSNSを接点につながり合い、施主主導のコミュニティが生まれはじめているのだ。「○○邸のここが素晴らしいとか、自分だったらこうしたいとか、これから家づくりをはじめる方やお施主さま、OBの方たちからいろんな声が届くようになって。『苦労したけど頑張ってよかったな』と、すごく励みになるんです。本当にありがたいですよね」。

デザイナーの手中に広がる無限の可能性

設立から10年を経て、今や北陸から九州まで35拠点に広がる『ソラマド』ネットワーク。1軒1軒の濃密な家づくり、施主OBたちの声の積み重ねによって成長してきたこのスタイルは、その家づくり同様時代のニーズや施主の声を反映しながら今後もしなやかに変化し続けるだろう。なぜなら『こうあるべき』とスタイルを決めつけてしまったら、それはもう『ソラマド』ではない。そしてその新たな『ソラマド』を創造するのは、ほかでもない、若手建築デザイナーたち。彼らのあくなき挑戦は、未来の家づくりの可能性を大いに広げてくれるに違いない。

株式会社 ライフラボ