社長の想い

世界で1台の特殊車両を武器に巨大プラントの徹底清掃に挑む。

株式会社 総社クリーンメンテナンス 
代表取締役 大久保 中 氏

特殊で大規模な現場の清掃に特化

巨大なプラントがどこまでも続く全国有数の工業集積地、水島臨海工業地帯。その工業港として使われる水島港の側に、株式会社総社クリーンメンテナンスはある。事務所は民家のようなこぢんまりとした構えだが、外には迫力あふれる大きな作業車がズラリ。JFEスチール、三菱化学、旭化成といった並みいる大企業を取引先に、欠かすことのできない役割を果たす企業である。

手掛ける業務は、工場プラント設備や大規模工事現場の清掃作業。
一口に清掃といっても、例えばタンク・配管内の高圧洗浄や内容物の入れ替え、トンネル工事の土砂回収など、その現場は想像以上にハードだ。高所や遠方にホースを伸ばして吸引・圧送できるハイパワーな装備が必要であり、また土砂や油、粉じん、ヘドロなどあらゆる状態の物質に対応しなくてはならない。

総社クリーンメンテナンスは、そういった特殊で大規模な清掃に特化。パワープロベスター(超強力吸引作業車)や超高圧洗浄車、吸引物を貯めるレシーバータンクといった独自開発の車両・装置を武器に、他社のできない難しい現場にこそ勇んで乗り込んでいく。

私たちにしかできない仕事がある

「この間は、社員数人と1カ月半、北海道の現場に行っていたんですよ」と話すのは、この会社を率いる大久保中社長。
「セメントのサイロ(貯蔵タンク)内の清掃ということでね。中のセメントをいったん全部出して、それを別のサイロに移す必要があるんですが、その作業を1台でいっぺんにできる車は、世界中でうちにしかないんです」と説明する。

「オリジン」と名付けられたその車は、液体・粉体両用で吸引・排出・圧送ができ、粉体では高さ40mまで圧送できる圧倒的なパワーをもつ。さらに吸引物をドラム缶等に直接詰め替えることもできるなど、現場で必要なあらゆる機能をオールインワンに備える。

「いろんな現場に行くたびに、『もっとこうだったらいいのに』という意見が出てきますよね。『じゃあ、どうすれば解決できる?』と、社員や車両メーカーの方と知恵を出し合って、オリジナルの作業車を開発しています」。

こういった独自の車両と工法によって強力な差別化が図られ、近県のみならず日本全国から引き合いを集めている。

また過去にはテレビ番組(フジテレビ『ほこ×たて』)にも登場。最強の「吸盤」と当社のパワープロベスターとで対戦し、1度は負けたものの、改良を加えて2度目で見事リベンジを果たしたという。

大切な社員を守りたい

他の追随を許さない明確な強みをもち、業績を上げ続けてきた当社。しかしやはり、リーマンショック時には創業以来の深刻な危機に陥ったという。

「どこの工場もすっかり冷え込んで、とにかく仕事がなかった。当時10数人の社員がいたんですが、出社してもなにもしてもらうことがない状況は、本当につらかったですね。同業の仲間からは、泣く泣く人員整理したという話も聞くようになりました」。

が、そんな中で大久保社長は、『雇用だけは絶対に守る』という強い信念を貫く。難しい要件を満たして助成金の給付を受けるなど、社員一丸となって粘り、ついにひとりも辞めることなく危機を乗り切った。

「高性能なハードを揃えることも大事ですが、やはりそれ以上に『人』が大事です」と、社長は言葉に力を込める。日頃から社員の教育には特に力を注いでおり、各種資格取得は全面的に支援。一般的な資格知識にとどまらず「自社の現場で今すぐ役立つ知識を身につけてほしい」と、数冊に及ぶ手づくりの問題集を用意する。「不定期でテストをするんですよ。みんな『えーっ』と言いながらも(笑)、熱心に取り組んでくれますね」。

お客様のおかげで20余年

元々同業種の会社に勤めていたが、当初より「いずれは自分で会社を起こしたい」との思いを抱いていたという大久保社長。36歳で独立し、以来23年間、一歩一歩着実に歩みを進めてきた。

常に意識するのは「お客様あっての我が社」という姿勢。
「私たちが毎日食べていけるのも、お客様が仕事をくださっているおかげ。お金をいただいている以上、きちんとした技術と知識をもって、満足してもらえる仕事をしなくてはいけないということを、社員にもいろんな言い方で繰り返し伝えています」と話す。

オイル漏れの処理など緊急の要請時には、社長みずから大きな作業車を駆って出動することも。「お客様は本当に困って私たちを頼っておられるわけですから、素早い対応ができると心から喜んでいただけます。『本当に助かりました、ありがとう』という言葉をいただけるのが、やっぱり一番『やっていてよかった』と思うひとときですよね」と、柔和な笑顔を見せる。

「私たちにしかできない仕事がある」・・・その事実は、社員全員の大きな誇りだ。「これから人員ももっと拡充し、日本全国をフィールドに、さらなる高度な現場に挑んでいきたい」と、大久保社長は力強く言葉を締めくくった。

株式会社 総社クリーンメンテナンス