社長の想い

情報化社会の「黒子」に徹し、安定したサーバー環境を提供する。

株式会社 チロロネット 
代表取締役 安藤 究真 氏

情報インフラを支えるレンタルサーバー

ホスティングサービス、と聞いてその業務内容をすらすらと説明できる人はどれぐらいいるだろうか。ホスティングサービスはレンタルサーバーサービスともいわれ、ホームページ運営やメール管理のために必要なサーバーを、企業や個人ユーザーに貸し出す業務。

サーバーシステムはユーザーが自前で持つこともできるが、設備投資や保守管理に非常に大きなコストがかかるため、多くの場合はレンタルサーバーサービスを利用し、専門の事業者、すなわちホスティング事業者に運営を委託している。インターネット環境は今や、人の暮らしになくてはならないもの。電気や水道と同様、大切なインフラを支える事業といえる。

安藤究真社長率いる株式会社チロロネットは、そのホスティングサービス事業を主に、データベースシステム構築、WEBサイト制作なども手掛ける企業である。

2000年の創業以来、努力を重ねながら順調に成長を続けており、顧客は全国に約6000件。大企業も多く、会社の根幹となる重要システムを支えている。また、ベトナムにも子会社をもち、主に現地の外資系企業向けに同様の事業を展開している。

優れた安定性とサポート体制が誇り

「サーバーは365日24時間使えて当たり前のもの。元々、明確な差別化が難しい業界なんです」と、安藤社長。全世界に顧客をもつことができるが、競合他社も星の数ほどあり、格安、激安をうたう業者も増えている。その中でチロロネットは、いかにして顧客を増やし、信頼を得ているのか。

その問いに社長は「うちは、他がやっていないことをやっていますから」ときっぱり。
「利用料やディスク容量といったわかりやすい数字のほうについ目が行きがちですが、レンタルサーバー選びの基準としてなにより大事なのは、サーバーの安定性とサポート体制なんです」と力を込める。

サポート体制について、一般にはコスト削減のため不具合に対する問い合わせ窓口をメールフォームのみとする業者が多いが、チロロネットでは電話を受け付け、スタッフが即時応対する。安定性に関しては、当社が構えるデータセンターのスペックを知ればわかる。「ここまでしなくても、とあきれられるぐらい徹底してリスクに備え、あらゆる部分で2重、3重のトラブルを避けられる体制を整えています」。

多くのユーザーが、実際に利用を始めたのちに改めて使い勝手のよさを評価してくださるという。極めて低いという解約率が、確かな満足の証しだ。

環境にやさしい最新鋭のデータセンター

システムダウンはいかなる場合も許されないため、サーバーを設置するデータセンターは、入念なリスク対策のもとに建設される。

チロロネットは、2015年に新施設「倉敷第2データセンター」を竣工。
自然災害が少ない岡山は国内有数のデータセンター好適地であるが、その中でもさらに、あらゆるリスクとメリットを考慮し尽くして建設地が選定されている。震度7に耐えられるというコンクリート造の建屋は、まるで強固な要塞のようだ。

電力供給については、電線本線からの受電に加え、別系統からの予備線も引き込む。さらに自家発電装置はもちろんのこと、一瞬の停電も防ぐ無停電電源装置をメインと予備の2台配備。サーバー機器は顧客ニーズに合わせて多様に構成され、データバックアップやウイルス対策といったオプション機能を備える。

安定性を保つ設備と手厚いサポートのためにはコストを惜しまない分、別の部分でコストダウンの工夫をする。今、世界の電力総量の多大な割合がデータセンターで消費されており、しかも、その電力の約半分は、サーバー機器を冷却するためのエアコンにかかっているという。

環境負荷に配慮し、莫大なエアコン代を節減するため、当センターでは外の空気と井戸水を利用した最新の空調技術を採用。IT施設のエネルギー効率を示す指標「PUE」は概ね1.1未満をキープし、「これは空調にかかる電力がほぼゼロに近いということ。この数値を出せるデータセンターは、なかなかないと思いますよ」と、安藤社長は胸を張る。

先見の明をもち、大学在学中に起業

安藤社長が会社を立ち上げたのは、なんと大学在学中。
元々特に起業の意志はなく、ずっとマスコミへの就職を目指していたそうだが、学生自治会の活動に没頭して定期的なアルバイトができなくなったため、自営で生活費を得る方法を考えたことから今に至るという。

「浮き沈みの激しいIT業界ですが、ホスティングサービスはどう見てもまだまだ需要が増え続け、少なくともこの先数10年はなくならない仕事だと思ったんです。岡山は災害が少ないという地の利もあるし、これならやれるかなと」。

最初は仲間5人で他社のサーバーを借りてスタート。徐々に規模を拡大して4年生のとき正式に起業すると、たちまち学生ベンチャーとして地元の新聞や経済誌に取り上げられ、さらに引き合いが増えていった。

今はベトナムと日本を股にかけて飛び回り、みずから営業もエンジニアもこなす。ベトナムでは地元の人々に混じってバイクを乗りこなし、ベトナム人の気質を理解して現地スタッフのモチベーションを上げる。

今後はさらなる海外展開も夢ではなく、新データセンターはまだまだ設備増強が可能だ。「かたちのないものを扱う仕事だし、あまり人から直接感謝されにくい仕事なんですけどね」と笑うが、経営理念に掲げる通り、「情報化社会の黒子に徹する」ことが会社の使命。「主役であるお客さまに安心して身体をゆだねていただけることが、私たちの喜びです」。

株式会社 チロロネット