社長の想い

相談事業と在宅調剤の2本柱で、地域の介護施設の価値を高める。

株式会社 タイオン365 
代表取締役 藤井 大温 氏

2つの事業で地域の介護をサポート

株式会社タイオン365は、高齢者施設の紹介サービス「岡山県有料老人ホーム相談センター」と、在宅特化型調剤薬局「リード薬局」との2事業を柱に、地域・在宅での医療介護をサポートする企業だ。

住み慣れた地域での介護を推進する国の施策を受け、近年は高齢者施設にも、介護付き有料老人ホームやグループホームなど、さまざまなタイプが登場している。
しかし選択肢が多いだけに選び方がわかりにくく、ミスマッチも多いのが現状。「岡山県有料老人ホーム相談センター」は、本人やご家族の意向をヒアリングし、豊富な情報を提供して、最適な施設選びのお手伝いをしている。

もうひとつの柱が、在宅調剤。
一般の調剤薬局は、患者が自分で処方箋を持って来店する。これに対し、医師の指示の下、通院が困難な患者のいる家庭や介護施設に薬を届けるのが在宅調剤である。

「病院で処方箋をもらうと、みなさんなにも考えず、横にある薬局に行きますよね。いわゆる『門前薬局』というものです。しかし我々はそうやって自動的に来る患者さんを待つのではなく、我々のサービスを気に入ってもらった上で、選んでいただける薬局でありたいのです」。
だから「リード薬局」は、どの病院にもまったく依存しない、完全独立の調剤薬局だ。在宅専門でこういった形態をとるところは、岡山県内では知る限り他にないという。

「ザグザグ」を飛び出して

この会社を率いる、社長の藤井大温氏。実は、あのドラッグストア「ザグザグ」社長のご長男である。
実際、つい1年前までザグザグに在籍。薬剤師としての現場経験を経て、調剤統括・介護事業部統括のポストまでキャリアを積んだが、独立起業の道を選んだ。

きっかけのひとつは3年ほど前、デイサービス「ザグスタ」の立ち上げに携わったこと。
この事業を通じて地域の有料老人ホームとも関わるようになり、ある気づきがあったという。
「本当にすばらしい施設が、岡山にもたくさんあるんですよね。でもみんな小規模で、その魅力を発信する力がない。これはもったいない、なんとかしてこの価値を伝えたいという思いがわいてきたんです」。

「有料老人ホームの紹介事業をしたい」という意欲と併せ、「これからの調剤薬局は在宅に力を入れるべき」との信念もあった。
これらを社内で実現しようとするも機会に恵まれず、それならと退社を決意。
すると驚いたことに、数名の仲間が一緒に辞めてついてきた。

「彼らはみな、介護や調剤、お客さま対応などそれぞれの分野を究めて活躍してきたプロフェッショナルばかり。起業といっても最初はなんのあてもありませんでしたが、この仲間と一生懸命やればきっとうまくいくだろうと、不思議な確信がありました」。
社員たちの和やかな会話が飛び交うデスクを背に、藤井社長はそう言って笑みを見せる。

プラスアルファのサービスを

リード薬局には、営業マンの存在が欠かせない。
岡山県内の介護施設を主に回り、調剤を任せてもらえるよう営業をかける。ゼロからのスタートだったが、取引先は着実に増えている。

当然、各施設には元々出入りしていた薬局があるはずだが、そこをなぜ開拓できるのか。
「うちはお薬の『仕分け』をやるんです。朝昼晩ごとに飲む複数のお薬を1包にまとめ、わかりやすく1包ずつ名前と日時を印字してお届けしています。
めちゃくちゃ手間がかかりますよ。でも、それまでは施設のスタッフがこの作業に忙殺されていたわけですからね。飲み残しや投薬ミスもなくなりますし、施設にも利用者さんにもメリットばかりなんです」。

施設に薬を届けに行くときは、必ず薬剤師と営業の2人で行く。
白衣を着た薬剤師には言いづらい施設側の要望も、営業マンになら気軽に言える。つまりニーズの汲み取りができるからだという。
薬剤師が薬をセットしている間に、営業がちょっと会話を交わす。そんな何気ないコミュニケーションを、ここではとても大事にしている。

目的は、施設の価値を高めること

薬の仕分けも、営業の訪問も、特にそこまでしなくても業務は成り立つ。
また、相談センターについては、もはやボランティアに近い運営なのだそうだ。
しかし藤井社長に、その労力を惜しむ気配はまったくない。

「私たちがきちんと薬を仕分けしてお届けすることで、介護スタッフの方は、これまで薬を飲んでもらうことに掛けていた膨大な時間を、入浴や食事のお世話といった本来の仕事のために使っていただけますよね。
結果、サービスの質が上がり、施設の価値が上がります。これこそが、私たちの願うところなのです」と、熱を込めて語る。

きめ細やかな在宅調剤で介護の現場をサポートし、施設のサービスの質を上げる。
そして、相談センターで、魅力ある施設の情報をどんどん発信していく。
「岡山のたくさんのすばらしい介護施設を、もっともっと価値あるものにしたい。このひとつの使命のために、2つの事業があるんです」。
起業して1年。挑戦は、まだ始まったばかりだ。

株式会社 タイオン365